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いまの子どもたちに―未来への希求―

株式会社MGファシリティーズ 代表取締役 原田 長治

八の字への違和感

  いまの子どもたちは、掃除のしかたを知らない。雑巾の絞りかたも、丸めて握り締めるような絞りかたをしている。雑巾がけをすれば八の字に拭き、ほうきを持たせれば持ちかたも掃きかたも知らない。
 マンションやアパートなど住宅環境の変化に伴って、掃き掃除の習慣がなくなってきた。電気掃除機で掃除をし、最近ではロボットが掃除をしてくれるとなると、家庭ではますます「掃除」という言葉も失うのではないだろうかと思える。
 昔は、家のなかの掃き掃除や廊下の雑巾がけ、玄関や自分の家の前の道路の掃き掃除など、それぞれ子ども同士で分担が決められ、掃除をしていたものだ。しかし、いまは生活環境が変わってしまったためか、家庭ではそのような場もなくなり、親が子どもたちに教える機会もなく、子どもたちは雑巾の絞りかたやほうきを使った掃除のしかたを知らない。
 時代が変わったとはいえ、それに違和感を覚える。古来、日本の文化、風土として培われた生活の教えが、時代の変化とともに失われていくことは寂しいことだ。

世界に誇れる「きれいな日本」

 「日本はきれいだ」と外国の方々はよく言う。海外に行き、空港から都心部へ向かう車窓から見る道路脇は、ゴミとほこりにまみれた状態が中心街に近づくまで続いている。それに引き換え、成田国際空港に帰国し、東京の中心街に向かう高速道路や街の道筋のなんときれいなことか。
 先日、テレビで、世界一きれいな空港に羽田空港が選ばれたと報道されていた。日本の玄関がきれいだと評価されたわけで、昔の喩たとえに「玄関を見ればその家の様子がわかる」との話があるように、まさに日本がきれいだと世界中に認められたことになる。
 そして、こうも言われた。「日本には、なにか外国人にはわからない仕組みか制度がきっとあるに違いない。われわれは、それをビルメンテナンスの同業者として知りたい」と。
 日本の環境衛生の水準は、世界に誇ることができると思っている。日本の素晴らしい環境衛生に対する考えを世界に発信し、日本がいかに素晴らしい国と国民であるかを広めていきたい。
 斯界(しかい)はいま、労働力不足を補うことも目的の一つとして、外国人実習生をビルクリーニング職種として受け入れる計画を立てている。
 国が進める外国人技能実習制度は、先進国としての日本が発展途上国の経済発展に人的面で協力できる一つのありかたである。
 発展途上国から来日する外国人が一定期間の研修を受け、さらに受け入れる機関や企業も研修を受け、一定の評価を受けた者が雇用を認められ、技能実習を受けられる制度である。帰国後は、母国の社会経済の発展に役立つ技能を習得することがこの制度の根幹にある。よもや間違っても、単なる労働力の補完的機能だけが先行することは斯界として慎みたい。
 単にビルクリーニングの技能だけではなく、日本の環境衛生の水準が世界に誇れるものであり、日本の文化として拭き掃除を学んでもらいたい。本国に戻ったときに日本の環境衛生の考えを広めてもらうため、資格を制定し、世界に日本の環境衛生のありかたを発信しようとしている。
 2016年には世界ビルメンテナンス連盟の世界大会が24年ぶりに東京で開催される。日本の環境衛生を培った文化を発信する、いい機会である。

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