確かな技術力とブランド力のあるケルヒャーは、自動床洗浄のみに焦点を当ててもそのラインナップの多さと細部にこだわった機能性が際立つ。例えば、ローラーパッドの採用や世界初の鍵管理システム「KIK」※の開発など、独自性に富んでいる。
現場に合う自洗機が見つかる
近年では、オリジナルのリチウムイオンバッテリーの開発に注力し、従来品と比べて3分の1の質量軽減に成功。それでいて、充放電回数は1,500回(従来品は450〜500回)。急速充電にも対応するなど、清掃現場に則した進化を遂げてきている。
《機体のタイプ》
ケルヒャーのラインナップは主に4タイプに分けることができる。
1、手押し式=C(Compact)
手押し式マシンの例:BR 45/22 C Bp
同社の手押し式のほとんどが、小型床洗浄機である。通常の自動床洗浄機の仕様通り、電源を入れて、押すだけで洗浄することができる。
手押し式の製品ラインナップはこちら。
2、自走式=W(Walk behind)
自走式マシンの例:BR 55/40 W Bp
手元のレバーを握ることで走り始め、離すと止まるような仕様になっている。利点としては、万が一、急な横からの飛び出しがあった際、握っているレバーを離すだけでピタッと止まるようにできているため、手押し式に比べてとっさの反応に強い側面がある。
自走式の製品ラインナップはこちら。
ハンドルのグリップ内側にある走行レバー。奥に押すと前進、手間に引くと後退するという、直感的な操作ができる。左右どちらかで操作できるので、ハンドルをしっかり握った状態から、安心して速度調整や停止が可能。
3、立ち乗り式=RS(Ride on/Stand on)
立ち乗り式マシンの例:BR 55/40 RS Bp
視界が広く安全性が高い。また、次の動作に移りやすいことから、什器・備品をどかして清掃する際に作業効率よく、清掃を行える。
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4、搭乗式=R(Ride on)
搭乗式マシンの例:BD 50/70 R Bp
大型店舗や倉庫、公共施設などの広い面積の床清掃に最適な搭乗式タイプ。前面に60cmモップを取り付けられるものもあり、床洗浄前の掃き掃除を同時に行える工夫も施されている。
搭乗式の製品ラインナップはこちら。
《洗浄方法》
ケルヒャーの自動床洗浄機を語るうえで欠かせないのは、製品名の頭文字になっている「BD」と「BR」。これは、ディスクタイプとローラータイプを表しており、面で洗浄する方式と線で洗浄する方式を選択できるようになっている。
・ディスクブラシ(BD)
ブラシ面圧を簡単に調整することができ、フラットで滑らかな床面に適している。
・ローラーブラシ(BR)
高い面圧と縦の高速回転で凹凸面やノンスリップの床面に威力を発揮。接地面が少ないことから、ディスクブラシの約7倍の面圧で高い洗浄力を得られる。また、除塵作業が不要な「粗ごみ回収機能」を搭載している。
ブラシが回転し、大きなゴミをコンテナに掃き込む。掃き掃除などの前処理が不要となり、作業効率が向上する
同社では、ローラータイプのパッドを他社とコラボし、日本オリジナルで開発した。それが、2015年に発売した表面磨き用「イエローローラーパッド」とワックス表層剥離用「ブラウンローラーパッド」である。業界初となるローラータイプのパッドとして話題を呼んだ。
KIKについて
※ケルヒャーが世界で初めて開発した「鍵管理システム(KIK:karcher Intelligent Key)」は、床洗浄機の2種類の鍵で管理者と作業者の操作に関する権限を分け、清掃管理者が洗浄機の清掃スピード、ブラシ回転数、洗剤の希釈濃度などの作業内容を設定し、作業者はその設定の範囲内で清掃を行う。誰でも使える自動床洗浄機の操作性に加えて、実施する内容をあらかじめ制限することで、より均一な清掃結果を得られるのだ。