日常・定期清掃に欠かせない代表的な清掃機器は、真空掃除機(バキュームクリーナー)である。近年では、作業の安全面や効率面を踏まえて、コードレスタイプのものも増えてきたが、現場ではまだまだコード式が主流である。コードレスに踏み切れない背景としては、「コードレスだと吸引力が心配」や「消耗品のバッテリーがネックになる」という懸念があるからだろう。
そこで今号からは、進化を遂げるリチウムイオンバッテリー対応のケルヒャー社の清掃機器を軸に紹介。また、コード式からバッテリー式のバキュームクリーナーに替えたビルメンテナンス企業のビフォーアフターにも迫る。
協力=西部ビル管理(株)/ケルヒャー ジャパン(株)
取材・文=比地岡貴世
使用シーンが多いバキュームクリーナー
日常清掃に欠かせない清掃用機械と言えば、真空掃除機(バキュームクリーナー)である。おおまかにその機種は6種類に分類することができる。
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以上のように、カーペットの除塵作業をはじめ、洗浄作業の汚水回収などに欠かせない清掃用機械であることがよくわかる。ゆえに、現場での稼働率も高く、日常的な除塵作業はもちろん、巡回清掃時の拾い掃きに活用するケースもある。
しかし、使用する場面が多いからこそ、バキュームクリーナー絡みの事故(ケガ・ミス・クレーム)も増えている。
月刊『ビルクリーニング』で連載している「チャレンジKYT」(2020年11月号)でも、 [代表的なものはホースや本体につまずく転倒や持ち上げた際の腰痛などのケガ、移動時にコードをエレベーターの扉に挟んだり、ノズルや本体をぶつけたり落としたりなどのミスによる物損事故です] と注意を呼びかけた。
特にバキュームクリーナーのコードについては、プラグの故障やコードの脱線などのリスクを常に抱え、また、コードが机などの脚に引っかかり、物損の危険性もはらむため、作業者としては細心の注意を払わなければならない。
近年では、施設オーナーからの要望で「電源コードの使用NG」というケースも増え、バキュームクリーナーはいま、コードレス化に大きく舵を切っている。