検証を行ったのは、清掃歴10年の末冨幸恵さん。従来の作業と比べて、「HV 1/1 Bp」を使用した清掃に切り替え、下図のように、約40%の作業時間減少の効果が得られた。ちなみに、事務所の広さは161m²で、週に2回の除塵作業が仕様となっている。階段は1〜2 階(建物自体は5階建て)の16段分、33m²である。
【検証結果】作業負担と時間を減少
メリット
ケルヒャー製コードレスマシンを使ってみて
清掃箇所 |
清掃時間(Before) |
清掃時間(After) |
事務所(161m²) |
20分 |
15分 |
階段(33m²/ 16段分) |
8分 |
5分 |
清掃時間
25%減少
清掃時間
37%減少
省力化に成功した大きな要因は、事務所清掃ではコードの抜き差しがなくなったこと。階段では、1段1段、上から下へゴミを自在ぼうきで掃き、ちり取りに集めるというその手間と労力がなくなったためである。
「人手がなかなか集まらないというなかで、コンセントの抜き差しによる手間がなくなったり、操作性の良さだったり、作業時間が短縮されるのはポイントです。また、昔と比べるとリチウムイオンの性能が良くなったと感じましたので、バッテリー式の製品は入れていきたいなと思います。ただ、コードレスだと稼働する時間が限定されてしまうので、そこをどう捉えるかですね」(谷川氏)
現場からは、今回の「HV 1/1 Bp」がショルダー式として使用できることに大きなメリットを感じたようで、作業時や移動時の疲労が軽減したという。また、従来使用していたコード式ポット型掃除機とそん色ない仕上がりであったことから、その点も好評を博した。
唯一のデメリット
ただ、一つ欠点もあった。それは集積容量である。清掃箇所の歩行量が多いことからダストバッグがすぐにいっぱいになってしまったという。
本来であれば、「HV 1/1 Bp」は、携帯型真空掃除機の分類にあたるため、巡回清掃を中心に、階段やエレベーターホールといったスポットで活用することで効果を発揮する。そのため、本体が軽く、コンパクトというのも魅力の一つである。
今後は、同社でラインナップするバッテリー製品を適材適所に使うことで、課題を解消できるだろう。
作業時間の減少が人件費を抑える
結果からもわかるように、コードレスにすることで生まれる一番大きな特徴は、コードの抜き差しの手間を省くということだ。前出の「チャレンジKYT」の解説のなかで、著者はこのような一文を残している。
コードレスにすることのメリットはあっても、バッテリーは消耗品だから割高と考える方もいるはずだ。ただ、1回の作業で毎回、10分近くの省力化を図れるとしたら、果たしてバッテリーの費用と削減できる人件費、月当たりに換算するとどうだろうか? ぜひ一度、計算してみてはいかがだろうか。