このショッピングセンターは、某大手スーパーを中核テナントに、専門店が約60店舗並ぶ。総売場面積は約20,000m²、全3フロアで構成されている。1階は、食料品売場や医薬品売場、フードコートが並ぶ。2階は衣料品、3階は生活雑貨や市の施設などが点在する。
マシンの稼働率と洗浄面積を拡充したい
1〜2階は塩ビタイルで、基本的にドライメンテナンスを実施。3階は、張り替えが行われたばかりの塩ビタイル。しかも、等間隔でスリップ防止の少し凹凸のある床材であることから、バフ機の使用を避け、ウエットメンテナンスで管理している。
オープン前は約13人工。主な機械洗浄は、1階のフードコートと通路。通路は洗浄後、バフ作業を実施している。
閉店後の清掃は、5人工で主に床面の洗浄を中心に実施。自動床洗浄機を使いながら、1日の汚れをリセットしていく。
主任の百瀬稔氏は、「フードコート内の清掃は、モップによる人力作業の面積が広く、負担になっていました。油汚れもひどく、しかも椅子がある、テーブルもあるという環境下ですから、ここに適した自動床洗浄機を探していました」と、従前の課題を次のように話した。
課題1▶サイズ感
一般的に、ディスク式自動床洗浄機の場合は、洗浄幅とスクイージー幅(吸引幅)が異なる。例えば、洗浄幅が約43cmだとすると、スクイージー幅は約78cmと、フードコートなど清掃箇所によっては約38cm分の清掃ができない箇所が存在し、狭い通路であれば折り返すことも難しい。同社では17インチタイプの自動床洗浄機を使用するも、大半が人の手によるモップ作業だった。
課題2▶重量
手押し式の自動床洗浄機は、バッテリーの関係もあって重量が100kgを超える。資機材庫を含めたバックヤードから店舗へと出る動線は、バリアフリー設計ではないため、段差があったり、通路幅も広くない。それを運ぶ現場スタッフの平均年齢は約65歳ということで、マシンの重みが作業員の負荷にもつながっていた。
課題3▶稼働率
従前使用していた自動床洗浄機は、稼働時間が約2時間、それからフル充電まで12時間もかかっていた。そのため、1日に1回しか使えなかった。
日々の除菌作業が業務を圧迫
2020年5月、初めて緊急事態宣言が発令されたこの時期に、百瀬氏を中心とした片倉キャロンサービスは、通常の清掃作業に加えて、高頻度接触面の除菌・除ウイルス作業に追われた。
また、従来から使用していた自動床洗浄機のリースアップ時期が近づき、前述した課題を解消する新たな自動床洗浄機を導入したいと考えた。
「前までは立面を消毒するということはなかったですからね。それに、手指のアルコールを使うことによって、ワックスが白くなってしまう。お客様が安心して、安全に施設をご利用いただけるように、衛生面での向上が求められています。この作業シフトで本当にいいのかなということも考え始めましたね」
そんななか、1通のメールマガジンが届く。
ケルヒャー ジャパンが発信する「ケルヒャー ニュースレター」である。百瀬氏は、そこで「BR 45/22 C Bp」のことを知る。「従来使用していた17インチタイプよりも小型というのが第一印象。ホームページで動画なども見て、操作性が良いなと。例えば、ハンドルを180度回転させると、旋回しなくてもそのままバックすることができる。これだったら、フードコートでも使えると感じましたね」
8月にデモを行い、百瀬氏を含む4名の現場スタッフが太鼓判を押した。そして、使用していた2台の自動床洗浄機のリースアップ時期であった10月に、「BR 45/22 C Bp」と通路で使用していた17インチの自動床洗浄機に替えて、20インチの「BD 51/40 W BP」も導入した。